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平成15年度商店街実態調査報告書
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8

調査結果から見た商店街活動の今後の方向性

         

1.「やり方次第で活性化できる」と回答した商店街の目指すべき方向性

〜「個店強化」「イベント地域交流」「個性・イメージ明確化」を目指す〜

 調査結果から、今後の商店街活動のあるべき姿を検討するために、「今後の活性化の見通し」の設問において、「やり方次第で活性化できる」という前向きな回答をおこなった商店街の「目指すべき方向性」について着目した。

 「魅力ある個店の集合体として、商店街全体の集客力を高める」(65.8%、対前年比8.9ポイント増加)、「イベントや祭り等を通して、地域住民との交流を促進する」(61.7%、対前年比5.5ポイント増加)、「商店街全体の個性やイメージを明確化して、アピール力を強化する」(50.0%、2.3ポイント増加)の回答が50%を超えており、いずれの回答も前年を上回る結果となっている。

 一方「高齢者や障害者にやさしい商店街づくり、福祉・介護の拠点として活動を強化」が30.8%から18.3%と対前年比で12.5ポイント減少している。

 
*不明・非該当除く

2.コミュニティ活動の取組状況

本年度の調査では、コミュニティ活動に焦点をあて、その取組状況の詳細にわたって調査をおこなった。以下に、「商店街の活性化の見通し」、「事務局の設置」、「空き店舗などの状況」とコミュニティ活動の取組状況の関係を分析した。

(1)「やり方次第で活性化できる」と回答した商店街のコミュニティ活動取組状況

〜「地域住民参加型イベントの開催」及び「まちづくり」に取り組み、今後も積極的にさまざまなコミュニティ活動実施を模索〜

 今後の活性化の見通しの中で、「やり方次第で活性化できる」とプラス志向の回答をした商店街は、どのようなコミュニティ活動をしているかを見たのが下表である。

 「すでに取り組んでいる活動」についてみると、「地域住民参加型イベントの開催」38.2%「まちづくり(バリアフリー舗道整備、緑化推進)」31.7%、「リサイクル、環境保全活動」16.3%が、上位3位回答で、商店街全体(P23参照)と同順位である。「地域住民参加型イベントの開催」及び「まちづくり(バリアフリー舗道整備、緑化推進)」については、商店街全体平均と比して、非常に高い回答率となっている。

「取り組みたいと考えている活動」についてみると、商店街全体平均(P23参照)の上位3位以外に「地域住民参加型イベントの開催」と「カルチャー活動等の場の提供」23.6%、「宅配事業・宅配弁当事業の実施」22.0%、「子育てママの交流広場」21.1%、「地域内相互扶助」20.3%の回答が20%を超えており、今後のコミュニティ活動に対する取組み姿勢の積極性がうかがえる。

「やり方次第で活性化できる」と回答した商店街の「コミュニティ活動」への取組み(単位:%)

 

すでに取り
組んでいる

取り組みたいと考えている

未記入

子育てママの交流広場

2.4

21.1

76.5

育児110番

3.3

9.8

86.9

託児所の設置

2.4

18.7

78.9

子供インターンシップ(商売体験)

9.8

16.3

73.9

カルチャー活動等(カラオケ大会、囲碁、将棋大会等)の場の提供

2.4

23.6

74.0

社会参画(清掃、緑化、地域文化の講師等)の場の提供

12.2

18.7

69.1

健康相談会等の開催

4.1

15.4

80.5

介護関連事業(宅老所、デイケアセンター、介護ショップ等)の営業、出店

3.3

18.7

78.0

宅配事業・宅配弁当事業の実施

1.6

22.0

76.4

レンタルスペースの設置

2.4

16.3

81.3

地域住民参加型イベントの開催

38.2

23.6

38.2

街なかサロンの設置

0.8

19.5

79.7

ボランティア活動の推進

8.1

17.1

74.8

まちづくり(バリアフリー舗道整備、緑化推進)

31.7

23.6

44.7

リサイクル、環境保全活動推進

16.3

26.0

57.7

地域内相互扶助(エコマネー、地域通貨など)の推進

4.9

20.3

74.8

コミュニティビジネスの支援

4.1

26.8

69.1

その他

4.1

2.4

93.5

(2)コミュニティ活動と事務所の設置について

 「事務所が有る」と回答した商店街におけるコミュニティ活動を見たのが下表である。

 「すでに取り組んでいる活動」についてみると、商店街全体平均(P23参照)と比して、上位3位の順位に変動はないもの、回答率は全般に高くなっている。

「取り組みたいと考えている活動」についてみると、商店街全体平均の上位3位以外に「子育てママの交流広場」と「カルチャー活動等の場の提供」29.4%、「地域住民参加型イベントの開催」26.2%、「地域内相互扶助」24.6%、「宅配事業・宅配弁当事業の実施」23.0%の回答が20%を超えている。

 全体的にみると、商店街事務所がある商店街において、コミュニティ活動全般に対する積極性をうかがい知ることができる。

「商店街事務所が有る」と回答した商店街における「コミュニティ活動」への取組み(単位:%)

 

すでに取り
組んでいる

取り組みたいと考えている

未記入

子育てママの交流広場

2.4

29.4

68.2

育児110番

3.2

18.3

78.5

託児所の設置

1.6

19.0

79.4

子供インターンシップ(商売体験)

11.9

17.5

70.6

カルチャー活動等(カラオケ大会、囲碁、将棋大会等)の場の提供

4.8

29.4

65.8

社会参画(清掃、緑化、地域文化の講師等)の場の提供

16.7

17.5

65.8

健康相談会等の開催

4.0

17.5

78.5

介護関連事業(宅老所、デイケアセンター、介護ショップ等)の営業、出店

5.6

18.3

76.1

宅配事業・宅配弁当事業の実施

3.2

23.0

73.8

レンタルスペースの設置

4.0

18.3

77.7

地域住民参加型イベントの開催

38.1

26.2

35.7

街なかサロンの設置

1.6

19.8

78.6

ボランティア活動の推進

11.9

18.3

69.8

まちづくり(バリアフリー舗道整備、緑化推進)

31.7

27.8

40.5

リサイクル、環境保全活動推進

23.0

25.4

51.8

地域内相互扶助(エコマネー、地域通貨など)の推進

3.2

24.8

72.2

コミュニティビジネスの支援

2.8

25.4

72.2

その他

4.0

0.8

95.7

(3)コミュニティ活動と空き店舗について

 商店街に空き店舗が有ると回答した商店街におけるコミュニティ活動を見たのが下表である。

 全体的にみて「すでに取り組んでいる活動」「取り組みたいと考えている活動」ともに、商店街全体平均(P23参照)とほぼ同様の順位となっており、回答率は若干高めの結果となっている。

 空き店舗ができたことにより、これから更なる空き店舗の増加や商店街の存続について危機感を抱き、コミュニティ活動への取組みを検討する商店街があることの表れと推察できる。

 今後取り組みたいと考えている活動として「コミュニティビジネスの支援」26.6%が、1位となっている。

「商店街に空き店舗が有る」と回答した商店街における「コミュニティ活動」への取組み(単位:%)

 

すでに取り
組んでいる

取り組みたいと考えている

未記入

子育てママの交流広場

2.6

22.6

74.8

育児110番

3.3

13.5

83.2

託児所の設置

1.5

17.5

81.0

子供インターンシップ(商売体験)

6.6

15.0

78.4

カルチャー活動等(カラオケ大会、囲碁、将棋大会等)の場の提供

5.1

23.7

71.2

社会参画(清掃、緑化、地域文化の講師等)の場の提供

9.1

20.1

70.8

健康相談会等の開催

2.9

20.1

77.0

介護関連事業(宅老所、デイケアセンター、介護ショップ等)の営業、出店

4.7

17.2

78.1

宅配事業・宅配弁当事業の実施

1.5

24.8

73.7

レンタルスペースの設置

2.6

17.2

80.2

地域住民参加型イベントの開催

28.1

24.5

47.4

街なかサロンの設置

1.8

18.2

80.0

ボランティア活動の推進

10.2

20.1

69.7

まちづくり(バリアフリー舗道整備、緑化推進)

19.3

24.1

56.6

リサイクル、環境保全活動推進

13.1

24.1

62.8

地域内相互扶助(エコマネー、地域通貨など)の推進

3.6

19.3

77.1

コミュニティビジネスの支援

3.3

26.6

70.1

その他

2.6

1.5

95.9

3.まとめ

 本年度の調査では「繁栄している」「回復している」というプラスの景況感をもつ商店街が3.9%と前年より1.3ポイント増えたものの、依然として厳しい状況が続いており、今後の活性化の見通しにおいては、「益々発展する」「やり方次第で活性化できる」と考える商店街は、30.2%と前年を3.3ポイント下回る結果となった。

 「やり方次第で活性化できる」と考える商店街は、商店街の目指すべき方向性として、個店の魅力を強化し、コミュニティ活動の一つであるイベントなど地域交流を促進し、その中で商店街の特徴と存在意義を明確化してアピールしていくことが重要と考えている。

 また、本年度の調査では、コミュニティ活動に焦点を当てて調査をおこなったが、数多くの活動について今後取り組んでいきたいとする商店街が多くあり、少子高齢化社会の進展、団塊世代が地域社会に戻ってくる時代をむかえるにあたって、コミュニティ活動への取組みは商店街活性化のキーファクターとなることが推察される。それぞれの商店街の置かれている状況に応じて、様々なコミュニティ活動の中からどの活動を選択して取り組んでいくかが、先述の商店街の特徴づけやアピール力強化にもつながっていく。

 1年や半年に1回の頻度でおこなう、その地域の特徴やテーマ性をもった「地域住民参加型イベントの開催」を商店街のコミュニティ活動の基軸におきつつも、地域住民の日々の暮らしと密接につながりを持ち、幅広い年代の人々が参画してもらえるような活動(例えば、「子育てママの交流広場」、「カルチャー活動等の場の提供」、「健康相談会等の開催」)のバリエーションを広げ、日頃より地域の人々が街を訪れるような仕組みづくりをおこなっていくことを“コミュニティ活動を中心に据えた商店街活動の方向性”として提言することができる。

 これらの「コミュニティ活動」を行うことは、商店街と地域住民の共通の認識を持つきっかけとなり、「まちづくり」、「リサイクル・環境保全活動推進」、「地域内相互扶助」など街の魅力、地域の魅力を増加させる取組みへとつなげられる。

 商店街は、「魅力あるモノやサービスを提供する個店の集積(商業的機能)」としての役割だけでなく「地域に密着したコミュニティ活動の場(公共的機能)」としての役割を果たすことで、その存在意義を強くアピールすることができる。独創性を持った前向きな意識で、商店街活性化に向けたこれらの活動に取り組み、厳しい時代を生き残ることが強く期待されるところである。

     
     


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